食品衛生学雑誌
Online ISSN : 1882-1006
Print ISSN : 0015-6426
ISSN-L : 0015-6426
酵素免疫測定法 (ELISA) キットによるレモン中の2,4-ジクロロフェノキシ酢酸の分析
森田 裕前原 友子牛山 正志
著者情報
ジャーナル フリー

1993 年 34 巻 5 号 p. 411-414_1

詳細
抄録

市販2,4-D検出用ELISAキットに対し, 抽出溶媒として用いる各種の濃度のメタノールまたはアセトンの0.01Mリン酸緩衝生理食塩水溶液 (pH 7.2) の影響を検討した結果, メタノール溶液では0から30%までELISA反応の吸光度の低下が認められなかった. 一方, アセトン溶液では濃度に応じて吸光度が低下した. 2,4-Dとともにレモンに防かび剤として用いられることのあるo-フェニルフェノール及びチアベンダゾールの2,4-D分析に対する妨害の有無を調べたところ, それぞれ20ppm及び100ppmの高い濃度でも交差反応性は認められなかった. レモン果皮中に2,4-Dを添加し30%メタノール溶液で抽出したところ, 約100%と高い回収率で測定できた. 1回の分析に要する時間は抽出から測定まで約80分であった.

著者関連情報
© 社団法人 日本食品衛生学会
前の記事 次の記事
feedback
Top