食品衛生学雑誌
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食品添加物として使用される数種の有機酸の抗菌作用
清水 高正高畠 俊弘加藤 正博
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1995 年 36 巻 1 号 p. 50-54_1

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抄録

食品添加物として常用されている有機酸9種の抗菌作用を検討した結果, フマル酸がグラム陰性菌に対して最も強い発育阻止作用を呈した. 供試した8菌種20株のグラム陰性菌を0.3%フマル酸水溶液に混釈した場合, 3株の S. Typhimuriumは160秒の感作で, また他の17株は80秒以内で発育阻止を示した. 次に86株の S. Typhiumuriumと20株の E. coli に対するフマル酸の抗菌作用を比較したところ, 後者の方が高い感受性を示した. B. cereus 名例 S. aureus に対しては, フマル酸をはじめ供試した有機酸はほとんど発育阻止を示さなかった. グラム陰性菌に対するフマル酸の抗菌作用は, アスコルビン酸, クエン酸などの添加により, 著しく増強された.

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© 社団法人 日本食品衛生学会
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