食品衛生学雑誌
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豊後水道産ホシフグの部位別及び季節別毒性
渕 祐一帆足 喜久雄赤枝 宏牧野 芳大野口 玉雄
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1998 年 39 巻 6 号 p. 421-425_1

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抄録

未利用フグ種のホシフグについて, 部位別及び季節別の毒性を検討した. 1991~97年に豊後水道で漁獲された49個体 (雄23個体, 雌26個体) の毒力レベルは, 皮膚が弱毒 (有毒個体出現率6.1%, 最高毒力29MU/g), 卵巣が強毒 (同80.8%, 640MU/g) を示した. 他方, 筋肉, 肝臓, 精巣, 腸管は無毒であった. 毒力の季節変動に関することとして, 皮膚では8月と10月に有毒個体が検出された. 卵巣では6漁獲月 (3, 5, 8~11月) すべてに有毒個体が検出され, 有毒率は50~100%を示した. 本種の卵巣は, 初夏から秋に毒力の高いことが示唆された. 以上の結果から, 豊後水道産ホシフグの筋肉は食用が可能と考えられた.

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© 社団法人 日本食品衛生学会
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