1964 年 5 巻 5 号 p. 395-399
食品中のEDTA検出法としてMetal-EDTA complex形成に基づく呈色反応を利用する場合, 食品によってはEDTA以外の物質がEDTAと同様に陽性を呈することがある.
この物質の究明の目的で, 種々検討を加え, イオン交換樹脂分離法, ペーパークロマトグラフ法などを応用した結果, 本物質がα-アミノ酸類であることを確認した. さらに遊離のα-アミノ酸類を多量に含有する食品は, いずれもこの検出法に対して陽性を示すことを確認した.
またα-アミノ酸類と共存するEDTAの検出にイオン交換樹脂を利用してEDTAを分離し, 分解点を測定することによりEDTAを確認しうることを明らかにした.