食品衛生学雑誌
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アカザラ貝の毒性について (第2報)
1963年における毒性変化
飯岡 邦夫中野 弥石母田 四郎長山 キエ佐藤 昶
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1964 年 5 巻 5 号 p. 391-394

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抄録

1) 岩手県大船渡湾産アカザラ貝は, 食中毒発生の翌昭和37年に引き続き, 同38年においても同期に毒化することが認められた. そして毒性の最高は5月下旬に現われ, 前年の約10倍にも達し, 有毒期間は大体3月下旬より5月下旬までの3か月間であったと推定される.
2) 毒性上昇期の海水温度は大船渡湾の過去2年の記録ならびに米国におけるSommerらの報告の10~14°よりも約4°も低いことが認められた.
3) 山田湾産無毒アカザラ貝を大船渡湾の毒化地域清水に移殖し, その毒性の変化を観察したが, 移殖時すでに大船渡湾においては毒性の下降期であったためか移殖アカザラ貝はほとんど毒化するには至らなかった.
4) 山田湾産アカザラ貝には, ほとんど毒性が認められなかった.

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