2025 年 19 巻 1 号 p. 9-19
【目的】食に関する指導における栄養教諭と担任教諭の良好な連携への方策の検討を目的とした。
【方法】2021年12月、大阪府内4市の栄養教諭・担任教諭を対象に調査を行った(有効回答率32.9%)。連携良好群、連携非良好群の2群に分け、食に関する指導のP(計画)、D(実施)、C(評価)、A(改善)を比較した。連携状況を従属変数に、要因を共変量としてロジスティック回帰分析で比較した。
【結果】連携良好群の割合は栄養教諭54.7%、担任教諭65.6%と、職種で有意な差は見られなかった。栄養教諭では「食に関する指導への自信(連携して行う場合)」〔OR(95%CI):4.02(1.05−15.45)〕と「食に関する指導への理解があるか」〔OR(95%CI):4.02(1.34−12.08)〕が、担任教諭では、「Cの実施有無」〔OR(95%CI):3.45(1.23−9.72)〕「食に関する指導で参考にするもの」〔OR(95%CI):2.69(1.02−7.07)〕「学習指導要領への理解があるか」〔OR(95%CI):2.57(1.10−6.00)〕「食に関する指導への自信(連携して行う場合)」〔OR(95%CI):2.61(1.10−6.00)〕が有意に関連していた。
【結論】連携した食に関する指導への自信、相互理解が両教諭に共通して連携状況と関連していた。栄養教諭が主体的に評価や資料提供を行い、連携を主導することで良好な連携体制につながる可能性が示唆された。