2025 年 19 巻 1 号 p. 21-29
【目的】管理栄養士養成大学の教職課程において、栄養教諭の課程修了に必要な資質能力と職業意識に着目し、学内外の学習活動や志望進路との関連を明らかにすることを目的にした。
【方法】研究デザインは、Web上でのフォーム配信による質問票調査を使った横断研究である。
栄養教諭教職課程に在籍する大学生2-4年生53人を解析対象とした。
学内外活動の経験および教職科目に対する意識による課程修了レベルの資質能力、職業意識の得点の差をMann-WhitneyのU検定にて検討した。
志望進路と課程修了レベルの資質能力、職業意識との関連は、強制投入法によるロジスティック回帰分析にて検討した。
【結果】学内外の活動として、子ども食堂、先輩の授業実践を見る等の経験がある群はない群に比べ、職業意識の得点が有意に高かった。栄養に係る教育に関する科目に意義を感じる群の職業意識の得点はそうでない群に比べて有意に高かった。
志望進路が栄養教諭であることと課程修了レベルの資質能力には正の関連がみられた(AOR=18.76 p<0.001)。同様に志望進路が栄養教諭であることと職業意識には正の関連がみられた(調整オッズ比AOR=32.45 p<0.001)。
【結論】教職に関する基礎的理解や技術を高める経験や学習を重視する者の資質能力および職業意識は高い傾向がみられた。また、課程修了レベルの資質能力および職業意識と栄養教諭志望との関連を確認した。