小児耳鼻咽喉科
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症例報告
幼児におけるマイコプラズマ先行感染による急性小脳失調症例
井上 彰子井田 裕太郎細野 祥子松浦 賢太郎松島 康二豊田 理奈和田 弘太
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2018 年 39 巻 1 号 p. 44-50

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抄録

症例は5歳女児で感冒症状の後,歩行障害,めまいが出現,当院小児科でマイコプラズマ先行感染による急性小脳失調症と診断され入院加療となり入院3日目に平衡機能検査目的に当科紹介となった。当科初診時にはめまい症状と眼振はすでに消失していたが立位保持が困難で,その他の体平衡検査は施行できなかった。入院6日目よりステロイドの点滴加療を行い徐々に症状が改善し,入院8日目に電気眼振図(ENG),15日目に重心動揺検査が可能になった。ENGではeye tracking test(ETT)は不良であった。入院15日目に歩行可能になり退院した。重心動揺検査は発症5.5か月で開・閉眼で総軌跡長,外周面積等が改善した。ETTは発症7.5か月で垂直眼球速度の改善を認めた。本症例において神経耳科検査は急性期における診断には必ずしも有効ではなかったが,回復過程における治療効果判定の他覚的指標としては有効であった。

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© 2018 日本小児耳鼻咽喉科学会
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