2018 年 39 巻 3 号 p. 327-332
新生児聴覚スクリーニング検査で難聴の早期発見が可能となっても適切な療育を早期に行わなければ難聴児の支援は果たせない。この問題を解決するため,平成22年度に「いしかわ赤ちゃんきこえの相談支援センター」が設立された。このセンターは保護者に対して難聴に関する基礎的知識や補聴の必要性について説明を行い,さらに療育先を選択する手助けを行っている。今回この「いしかわ赤ちゃんきこえの相談支援センター」に紹介された60例の詳細を解析し,石川県全体の難聴児支援の課題について考察した。新生児聴覚スクリーニング検査の偽陽性率が高いこと,「いしかわ赤ちゃんきこえの相談支援センター」がボランティア活動で成り立ち脆弱な組織であること,軽度・中度難聴児の補聴器購入費助成の割合や条件が市町村によって偏りがあること,少なからず地域格差が存在することなどが今後の解決すべき課題であると考えられた。