基礎疾患を有する新生児や乳児に経鼻エアウェイ(Nasopharyngeal Airway. NPA)を用いて長期気道管理を行った報告は少ない。今回我々はNPAを用いて気道確保を試みた基礎疾患を有する新生児・乳児16例の臨床情報を検討した。16例中5例は気管切開や人工呼吸器を用いずにNPAで長期気道管理がなされ,挿入後の重大な有害事象は認めなかった。他の11例はNPAを留置したが下気道合併症等によりNPAによる気道管理が不可能と判断され,全例気管切開を受けていた。喉頭や下気道に狭窄がなく,上気道に狭窄に限られる場合に,NPAは基礎疾患を持つ新生児・乳児に対して長期の気道確保手段となりうると考えられる。対象の臨床情報の検討から,NPAで気道管理を継続するためには成長に伴って変化する適切なNPA留置位置の調整,有害事象の予防のために定期的なフォローアップが重要と考えられた。