小児の睡眠呼吸障害(SDB)における診断・検査の問題点について,上気道狭窄の原因診断と重症度評価の観点から考察した。上気道狭窄の原因はアデノイド・口蓋扁桃肥大であることが多いが,小児のSDBにはアレルギー性鼻炎(AR)の合併も多く,特に学童期以降ではARもSDBの原因となりうる。小児SDBの重症度診断におけるゴールドスタンダードはPSGであるが,小児SDBの病態を「単純性鼾症(PS)or SDB」と2択で考えるのではなく,上気道狭窄の重症度により,正常からPS,上気道抵抗症候群,SDBまでを連続したスペクトラムとして考えると,重度の上気道狭窄症例に認められる間欠的低酸素血症の診断が重要であり,終夜酸素飽和度測定によるMcGill oximetry scoreが有用である。無呼吸低呼吸指数は必ずしも再現性が高いとは言えず,第一夜効果や季節による変化なども考慮して評価することが必要である。