2023 年 44 巻 1 号 p. 69-77
大阪府ではNHS後の精査は開始当初から2段階方式で行っている。2013年1月~2017年12月までに精密聴力検査機関を受診した児でNHS実施歴がある1966人について聴力の程度及び補聴介入状況を調査し解析した。両側難聴758人,一側難聴429人,両側正常734人,不明45人であった。両側50 dB以上の難聴は352人であり出生数の0.1%であった。2段階方式の運用は少ない現状が示されたが,スクリーニング機関から直接の紹介よりABR施行病院を経ての紹介の方が精密検査で難聴ありの率が高く,2段階方式のメリットが示された。一方で両側難聴の診断にもかかわらず補聴介入されていない例も少なからず認められた。人口も医療機関も多い大阪府では2段階方式を機能させることは適切な時期に検査・介入する一助になると考えられ,そのために耳鼻咽喉科だけでなく産科,小児科,自治体とも協力関係を築いていくことが必要である。