COVID-19大流行が小児耳鼻咽喉科領域の手術症例数に与えた影響を検討するため,2019年から2023年までの5年間に当科で施行された全身麻酔下手術の術式の月別症例数を調査し,COVID-19新規陽性者数との関連性,および年別症例数の推移について調査した.その結果,月別総手術数は初回の緊急事態宣言の発令直後に急減し,その後の緊急事態宣言の発令の度に減少していた.また術式別の年別症例数の推移に関して,鼓膜チューブ挿入術(TTI)/アデノイド切除術(Ad)/口蓋扁桃摘出術(T)の症例数が2020年に急減した後に2022年まで漸次的に減少した.2023年に,Ad/Tはベースラインまで回復を示した一方,TTIは微増に留まった.COVID-19の大流行以降の症例数減少の有無,およびその後の回復の程度の術式間差違の原因として,患者の受診抑制のみでなく,大流行に伴う適応疾患の罹患者数減少の可能性がある.