小児耳鼻咽喉科
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シンポジウム2『小児難聴―いつ,誰に,何を,どう伝えるか―』
小児難聴―いつ,誰に,何を,どう伝えるか― 学校の先生へ
片岡 祐子
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2024 年 45 巻 2 号 p. 65-69

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抄録

聴覚障害児が学齢期に直面する課題は,聴取だけでなく,言語発達,学力,社会性等多岐にわたる.年齢により課題の質は異なり,また複雑化する可能性は高く,特にインクルーシブ教育を受ける聴覚障害児に対しては,適切な理解と支援,合理的配慮が必要である.通常学校の教師に対して必要な教育的支援としては,聴覚障害に関する基本事項であり,難聴児の聴取の状況,話し方の配慮・環境調整方法,生じやすい問題・不明点や課題がある際に連携する機関が挙げられる.一方で,聴覚特別支援学校教師に対してはより専門性の高い内容,例えば医療(検査や補聴機器等)・福祉の新規情報,補聴機器の適正装用,通級指導児への介入が求められる.インクルーシブ教育を受ける児でも専門的介入が必要な児は多く,中核機能を担当する専門機関が関与しながら医療,教育,福祉で効率的に連携し,適切な教育的支援を実施することが望まれる.

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© 2024 日本小児耳鼻咽喉科学会
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