移行期医療(transitional care)は,小児期から成人期への医療移行を円滑に行い,患者が継続的に適切な医療を受けられるよう支援する枠組みである.近年の医学の進歩により小児期発症の慢性疾患患者の生存率が向上し,成人医療への移行が重要な課題となっている.アレルギー疾患においても,喘息・食物アレルギー・アトピー性皮膚炎・アレルギー性鼻炎は小児発症が多く,思春期・青年期を経て成人まで持ち越す例が少なくない.移行期には生活環境の変化や保護者依存からの自立過程に伴い,治療の中断やアドヒアランス低下が問題となる.特に喘息では小児期の重症度が成人期の転帰を規定し,食物アレルギーでは成人診療体制の不備が課題である.アレルギー性鼻炎では舌下免疫療法など長期治療継続に本人の主体的関与が不可欠である.今後は,小児科と成人診療科,耳鼻咽喉科の連携を強化し,患者のヘルスリテラシー育成と自立支援を重視した体制整備が求められる.