2025 年 28 巻 p. 55-70
本研究は、アフリカ系アメリカ人コミュニティにおいて中心的な役割を果たしてきたラディカルホープの三要素─深い共同体・家族の絆、文化的アイデンティティ、信仰・精神性─を、日本の概念である生き甲斐、和、我慢、家族と統合することで、日本における自殺問題に対処するための強固な枠組みを構築できる可能性について探究するものである。構成主義的グラウンデッド・セオリーの手法を用い、日本人男子大学生への初期インタビュー調査を行った結果、彼らがラディカルホープの概念に強い関心を示す一方で、これらの要素が自身の生活に欠如していると感じていることが明らかとなった。アフリカ系アメリカ人コミュニティの洞察、日本における自殺に関する研究、そして限られたインタビュー結果に基づき、ラディカルホープの導入が人生の困難を乗り越えるためのより深い内省を促す可能性が示唆された。本研究の視座は、アフリカ系アメリカ人のレジリエンス戦略を活用し、日本の異文化的アイデンティティを強化することによって、文化的感受性を備えた自殺予防プログラムの創出に向けた今後の日本人研究者への指針となることを目指している。