抄録
煮繭工程の適正な温度制御を行うためのファジィ推論による意思決定支援システムを開発し、実験によりその有効性を検証した。本システムは次に示す3つの機能を持つ部分より構成される。(1)煮繭条件間の相互作用を排除するため多変量解析法により、煮繭条件を互いに独立な3つの温度パターンに集約する。(2)この温度パターンと繰糸成績の関係に対して上位のファジィ推論を適用し、最適煮繭温度パターンを選択する。(3)選択された最適煮繭温度パターンの成分と煮繭工程各部の標準温度と現在の温度との差を入力とし、修正後の煮繭工程各部の温度を出力とする下位のファジィ推論による煮繭工程各部の修正後の温度を出力する。このシステムを使用して煮繭・繰糸実験を行った結果、2回の温度の修正により、生糸糸長は2%減少し、糸故障回数は横ばいであったものの、索抄緒効率が40%、解じょ率が19%と大幅に改善され、適正な煮繭工程制御が可能となることが確認された。