抄録
家蚕繭層には微量成分として、低分子量タンパク質が含まれることが知られている。これらのタンパク質量を紫外吸収法により測定したところ、含有量は繭層重に対して約0.7%であった。
次に、低分子量タンパク質の分布についてセリシン蚕、精練糸から抽出した成分をSDS-ポリアクリルアミド電気泳動法によって比較した結果、セリシン蚕の抽出成分と低分子量タンパク質の泳動像は非常によく似ていた。また、抽出処理前後の繭層表面を走査電子顕微鏡で観察したところ、内層セリシンに変化が認められた。これらの結果から、繭層低分子量タンパク質はセリシン層に由来している可能性が示唆された。