抄録
福島県環境創造センターは、東日本大震災に伴い発生した福島第一原子力発電所の事故により、放出された放
射性物質からの環境回復や創造を目的として、福島県内に設置された拠点施設である。「福島県」と「日本原
子力研究開発機構(JAEA)」、「国立環境研究所(NIES)」の3 機関が1つ屋根の下で連携・協力し合い、①モニタ
リング、②調査・研究、③情報収集・発信、④教育・研修・交流の4 つの取組を総合的に行っている。本稿で
は、福島県環境創造センターでの様々な取組の概要、福島県の研究部で行っている、「放射線計測」、「除染」、
「廃棄物」、「環境動態」、「環境創造」の各研究分野の中から、福島県内から日々生じる廃棄物に関わる研究を
行っている「廃棄物グループ」について紹介する。また、本稿の著者(村沢)が、福島大学環境放射能研究所や
千葉科学大学と連携し、廃棄物グループで行っている、放射性セシウムを含む一般廃棄物焼却灰の物性や放射
性セシウムの溶出特性に関わる研究、粘土鉱物を用いた一般廃棄物焼却灰中の放射性セシウムの溶出抑制方法
に関する研究についても紹介する。