2000 年 40 巻 3 号 p. 31-41
本研究の目的は,以下の3点である。(1)平成10年度(1998年度)小学校学習指導要領の理科における認知的内容に関する命題文を挿入した,コメット法による評価シートを作成する。(2)コメット法による評価シートを使用した評価実践を行う。(3)評価実践の結果に基づき,コメット法を構成する4つの真理値と実際の子どもが用いる真理値との異同(4つの真理値以外の真理値を,子どもが使用するか否か)について検討を加える。そして,以下のような知見を得たので報告する。(1)計191種類の命題文を挿入したコメット法による評価シートを作成できたこと。(2)全評価シートの平均回答率は約98%であったこと。(3)約98%の子どもが,コメット法を構成する4つの真理値のいずれかを用いて,命題文の真偽判断を行っていたこと。(4)コメット法は,小学校理科における認知的内容に関する真偽判断を行う多くの子どもにとって,活用可能な評価方法の一つであること。