理科教育学研究
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校庭に生える植物(草本)の特性と教育技術の開発 : 植物図鑑づくり
藤島 弘純
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2004 年 44 巻 2 号 p. 109-122

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抄録

小学校の校庭に生える野生植物(草本)の種を,文献(旭川市,新潟市,東京都,兵庫県の4ブロック)調査および現地踏査(鳥取市,松山市の2ブロック)の2方法で調査した。その結果,①-④のことが明らかになった。① 1校当たりに生える野草の種数は190 種以下であり,それらの多くは生態学的には人里植物(荒地植物),また雑草学的には雑草として分類される属性を持っていた。②同ーブロック内の学校で高頻度(80 %以上の学校で出現)に見られた種が,他のブロック内でも高頻度に見られるとは限らなかった。③同一ブロック内の学校で高頻度に見られる種は,出現種数の11-24 %であり,学校間での植生の類似性は低かった。④校庭の植生は,学校周辺地域の植生とも類似性は高くなかった。生物の名を知ることは, 自然を学ぶことの基本だとの考えのもとに,教師の指導技術の向上と児童・生徒の学習環境の整備の2 側面から,校庭の植物の「植物図鑑づくり」を提案した。

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© 2004 日本理科教育学会
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