水の蒸発の理解を目指した指導法を考案し,公立中学校1年生を対象に授業実践を行った。事前に蒸発について学習した実験群と事前学習を行わない統制群に,素焼きの茶碗とガラスのビーカーに入れた水の温度を測定する実験,及びその結果についての話し合いから成る検証学習を行った。両群の生徒に対し,質問紙を用いて授業前後の蒸発現象に対する興味関心及び自己申告による理解度の変容をさらに,ワークシートを用いて蒸発に関する理解状況を調査し,事前学習を用いた指導法の有効性を検討した。その結果,実験群は統制群と比べ,蒸発現象について図や文字を使って説明できる生徒の割合が高いばかりでなく,蒸発に対する興味関心及び理解も高かった。以上のことから,事前学習を取り入れた指導法は生徒の蒸発の理解に有効であることが示唆された。