理科教育学研究
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タンパク質と脂肪の消化に関する発展的実験教材を用いた授業実践とその評価 : 中学2年「動物の体のつくりと働き」における実践
吉田 安規良
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2010 年 51 巻 1 号 p. 147-160

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抄録

中学校第2学年の理科の授業「動物の体のつくりと働き」単元で, タンパク質と脂肪の消化の実験教材を取り人れた授業実践を行い,この教材を用いた授業実践上の問題点や配慮事項について検証した。その結果,以下のことが明らかになった。(1) 実験を取り入れた授業は,生徒から概ね肯定的な評価を得た。特に「この実験からタンパク質や脂肪も消化液によって消化されることが分かった」については, タンパク質の実験を体験した生徒から高い評価を得た。しかし.実験方法や操作については「難しい」と感じた生徒が多かった。特に駒込ピペットの操作が難しいようであった。そのため.呈色反応で試料溶液を量り取る作業で実験方法の簡素化などの改善が必要である。(2) 発展的な内容を取り入れるための2~3時間程度の予備時数や余裕があれば, タンパク質と脂肪の消化の実験を取り人れた授業は実践可能である。

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© 2010 日本理科教育学会
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