理科教育学研究
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原著論文
分解と化合における子どものわかりやすさからみた学習の順序性とその指導法に関する提言
石井 俊行橋本 美彦
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2011 年 51 巻 3 号 p. 25-32

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抄録

本研究は,「分解」と「化合」の学習のうち,どちらを先に学ばせた方が「化学変化」の内容の習得に有効であるかを明らかにするために行った。その結果,以下のことがわかった。1) 意識調査の結果から.「化学変化」の学習では,「分解」よりも「化合」の方がわかりやすいと思っている生徒が多い。2) 約70%以上の生徒が,「化合」を学習した後に「分解」の学習をした方がわかりやすいと回答した。特に理科学力が下位の生徒にその傾向が強い。3)「分解」の次に「化合」を学習していた生徒の60%以上が,逆の順に学習したと記憶していた。その理由として,「化合」の実験の方が印象深い実験が多いこと,物質と物質とが組み合わされることによって新しい物質かできるという考え方が理解しやすいこと,等があげられていた。我々教師は,これらの知見を生かして生徒の学習意欲が継続されるよう,授業を組み立てていく必要がある。

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© 2011 日本理科教育学会
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