本研究では,小学校の理科学習における教授過程で,学習者が学習内容を理解する際の,「科学用語」導人の有効性についての研究を行った。特に,小学校第5学年で学ぶ「流れる水のはたらき」の単元において,「科学用語」:「浸食」・「運搬」・「堆積」を学習過程の中で学習者に導入し,「流水のはたらき」についての学習内容の学習者の理解のプロセスを,学習ノートヘの記述等を分析・考察し,以下の3つの結果を得た:① 新しい内容を学習する時に,学習者自らが「科学用語」を活用しながら考えるようになる。② 「科学用語」を用いながら,自分の言葉で自然事象を説明することができるようになる。③ 流水のはたらきについての科学的に妥判な知識を獲得することができる。以上のことから,学習内容の理解のための「科学用語」導人の有効性を明らかにすることができた。