理科教育学研究
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原著論文
観察・実験に対する興味と学習方略との関連の検討
―因子分析による興味の構造分析を基礎として―
原田 勇希中尾 友紀鈴木 達也草場 実
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2019 年 60 巻 2 号 p. 409-424

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抄録

本研究は,中学生の観察・実験に対する興味の構造を明らかにすることと,興味と学習方略との関連性について検討することを目的とした。確証的因子分析の結果,興味の構造として階層因子モデルが採択された。すなわち,観察・実験に対する興味は,“ポジティブな感情”の程度と,“観察・実験に対する価値の認知”の直交する2つの次元から捉えられることが示されたといえる。また,ポジティブな感情の程度と“思考活性志向”には観察・実験における深い学習方略(関連付け方略など)の使用を促進する効果が見出された。一方,“体験志向”は深い学習方略の使用を抑制する効果が見出された。さらに,本尺度の因子構造を反映した尺度得点の算出方法が検証され,分析用プログラムが作成された。

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© 2019 日本理科教育学会
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