理科教育学研究
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資料論文
マーク式による1990~2014年(平成2~26)25か年の大学入試センター試験
―理科基本4科目の成績動向概略及び出題構成の素点方式による統計的総括―
守口 良毅
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2020 年 61 巻 2 号 p. 391-402

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抄録

本報は「平成2年~26年の25回にわたる大学入試センター試験(以下セ試)本試の理科基本4科目の成績動向」に関する報告(守口,2016)に引き続き,以下を補完したものである。具体的には,セ試25か年における科目平均点,設問構成,配点構成などの出題構成の動向を素点方式による統計的手法により調べ,新しく定義した得点占有率,利得点などの統計値の併用により,公平性が問われるマーク式テストによる公的統一試験での科目間較差の問題点を考察した。設問解答箱数,配点構成において特に物理に科目間較差がみられるものの,その許容範囲と科目間の得点調整には個別入試でのセ試全受験者の合格率など困難な事後調査が必要であることから,少なくとも,解答箱数,配点構成での科目間較差をできるだけ小さくするなどの調整が必要で,記述式の導入が争点となっている共通テストで継続されるマーク式への今後の課題となろう。

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