理科教育学研究
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資料論文
深成岩の「ゆっくり冷えて固まる」とはどれくらいの時間なのか?
―小学校教員と中学校理科教員の認識実態とその比較検討―
平田 豊誠多賀 優吉川 武憲小川 博士
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2020 年 61 巻 2 号 p. 383-389

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抄録

深成岩が「ゆっくり冷えて固まる」とは一体どれくらいの時間なのか?という問いかけを小学校教員・中学校理科教員を対象に行った。本研究の目的は,深成岩の冷却固結の時間についての認識調査を小学校教員および中学校理科教員に行い,認識の比較検討を行い,冷却固結の時間に関する時間的スケールを獲得している状況を考察することである。調査は小学校教員41名,中学校理科教員155名を対象に認識調査・分析を行った。その結果,深成岩の冷却固結の時間の地質学的時間スケールにおいて,妥当な回答を行った小学校教員は7.3%,中学校理科教員は11.6%だった。中学校理科教員と小学校教員間での比較検討を行った結果,妥当な回答について有意差は認められなかった。また,中学校理科教員間での比較分析の結果,学生時代における地学専門だったかそれ以外だったか,および教員の使用している教科書会社の違いそれぞれについての有意差は認められなかった。

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© 2020 日本理科教育学会
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