理科教育学研究
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原著論文
エンジニアリング・デザインに基づくものづくり活動に関する実践的研究
―中学校2年理科「電流とその利用」を通して―
木内 裕佑藤田 剛志
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2021 年 61 巻 3 号 p. 417-428

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抄録

本研究の目的は,エンジニアリング・デザインに基づくものづくり活動を取り入れた理科授業を設計し,実践を通して,その教育的効果を検証することである。この目的を達成するために,まず米国で展開されているエンジニアリング・デザインを導入した理科授業の実践例を調査した。次に,中学校理科「電流とその利用」単元において,エンジニアリング・デザインに基づくものづくり活動を取り入れた授業を設計し,実践した。そして,質問紙調査によって,エンジニアリング・デザインに基づくものづくり活動が生徒の興味・関心などの情意的側面にどのような教育的効果を及ぼすのかを分析した。また,授業の感想文について計量テキスト分析を行い,ものづくり活動を取り入れた授業でどのような学びが展開されたかを考察した。その結果,エンジニアリング・デザインに基づくものづくり活動が,従来のものづくり活動と同様に,生徒の理科に対する興味・関心を高めること,生徒に理科学習の意義を実感させること,さらに従来のものづくりと比較して,生徒の創造的で主体的な学習活動を促す効果があることが明らかにされた。

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© 2021 日本理科教育学会
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