理科教育学研究
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原著論文
自然災害に関わるプログラミング教材の活用
―防災教育と連動したSTEM教材の開発と実践による教育的効果の検討―
佐藤 真太郎藤岡 達也
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2022 年 62 巻 3 号 p. 611-620

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抄録

自然災害に関連したプログラミング教育で育む資質・能力の育成をねらいとした教育プログラムの開発を行った。「レゴWeDo2.0」のソフトウェアと連動する教材を活用した授業を実施し,その実践の教育的効果を検討した。まず,学習者は水門の開閉により,水位を調節し,洪水を防ぐことを理解する。これを基に大雨時の水位の上昇と関連付け,動作に反応するセンサーを使用し,水面の上昇を感知し,水門を閉じるプログラムを作成し,実践した。その結果,自然災害に関連した「知識・技能」を踏まえ,情報を適切に活用し,災害を減らそうとするプログラミング教育のねらいとしての「思考力・判断力・表現力」や「主体的に学習に取り組む態度」を培うことが可能であることが示唆された。また,学習者は理科(Science)や算数(Mathematics)で学習した知識・技能を,技術・工学(Technology,Engineering)を用いたプログラミング教育実施時にも活用していることがわかり,STEM教育の展開例となった。

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© 2022 日本理科教育学会
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