2022 年 63 巻 1 号 p. 225-232
本研究は『理科教育学研究』に掲載されてきた論文の傾向を量的に明らかにすることを目的とした。1999年から2020年までに掲載された695件の論文タイトルを対象にテキストマイニングを行った結果,小学校や中学校に言及した論文タイトルや,具体的な授業実践に言及した論文タイトルが相対的に多いことが明らかになった。また,コーディングルールを設定し,語の出現数を集計した結果,「目的・カリキュラム」に言及した論文が30件,「指導法」に言及した論文が268件,「教材開発」に言及した論文が191件,「認識・発達」に言及した論文が161件,「教師教育」に言及した論文が69件という結果になった。したがって,『理科教育学研究』には,指導法,教材開発,認識や発達に着目した論文が多く,目的・カリキュラムや教師教育に着目した論文が少ない可能性が示唆された。