本研究では,高等学校や大学の教員養成課程における地学系関連科目で実施可能な惑星の温度が平衡温度に達するまでの過程を可視化する実験方法を開発した。中心星と惑星を赤外線ヒーターと球形ガラス瓶でモデル化し,時間の経過とともに温度変化率が低下し,最終的に平衡温度に達することを示した。リアルタイムの温度変化をデジタル温度ロガーで可視化・記録することで,授業内で平衡温度に達する様子を実際に捉えることや平衡時のエネルギー収支を定量的に分析することが可能となった。平衡時のエネルギー収支の概算は概ね理論的な値と一致し,実際の授業において定性的,定量的の両面から平衡状態を捉えることが可能であることが示された。