日本女性科学者の会学術誌
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総説
歯周病のアルツハイマー型認知症への関与メカニズム解明
武 洲
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2022 年 22 巻 p. 36-41

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抄録

高齢人口の急増に伴い、世界の認知症人数は20年以内に1億6千万を超えると推測されており、認知症の7割を占めるアルツハイマー型認知症(Alzheimer’s disease, AD)の9割は加齢に伴い発症している。AD脳の病態にはアミロイドβ(Aβ)蓄積と凝集による老人班形成、Tau蛋白質過剰リン酸化による神経原線維変性およびミクログリア活性化による脳内炎症がある。一方、リウマチ関節炎などでみられる全身炎症は脳内炎症を誘発し、AD発症とその進行を促す。歯周病病原菌P.gingivalisの成分がAD剖検脳に検出されることから歯周病がAD増悪因子として注目されている。私たちは独自に構築した解析手法を用いて、長年歯周病のAD誘発と病態への関与解明に取り込んでいる。本稿ではADにおける全身炎症の関わりを概説するともに、これまで明らかにした歯周病のADへの関与メカニズムを解説する。

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