2010 年 25 巻 1 号 p. 81-84
色素性皮膚病変(PSLs)の形態は主にメラニンとヘモグロビン色素分子の分布および濃度の差異に帰せられる。その定性的かつ定量的差異は可視-近赤領域の拡散反射スペクトルを用いて客観的に解析できる。本論文ではスペクトルを用いて両色素分子の濃度分布の差異を数値化した。本指標は15症例のPSLsに対して,高い精度(感度85%,特異度91%)でメラノーマを他のPSLsから鑑別可能であった。本指標はPSLs辺縁部のirregularityと色の多様性を同時に反映していることが示唆された。