抄録
55歳,男性。45歳時より統合失調症にて他院精神科通院加療中。20年程前より上口唇に常色の結節を自覚。放置していたが徐々に増大するため他院皮膚科を受診し,皮膚生検にてmucoepidermoid carcinomaと診断されたため当科紹介受診となった。当院初診時には上口唇ほぼ中央に20×17 mm大,常色の硬い結節を認めた。画像検査にて明らかな転移を認めなかった。5 mmマージンで上口唇を全層性に切除し,左右からのdouble advancement flapで再建を行った。術後9ヵ月経た現在まで腫瘍の再発・転移は認めていない。