Skin Cancer
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一般演題
静脈うっ滞性潰瘍から発生し下肢切断を要した有棘細胞癌の治療経験
山尾 健古川 洋志林 利彦小浦場 祥夫本田 耕一山本 有平
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2012 年 27 巻 1 号 p. 64-66

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抄録
 72歳,男性。30歳頃から両下腿静脈うっ滞性潰瘍に対し,他院循環器外科にて加療されていた。1年前頃より左下腿潰瘍部が隆起し,剥削術を施行したが再度隆起してきたため,前医形成外科を受診。生検にて悪性腫瘍を疑い当科紹介。初診日の夜に自宅で動脈性出血による出血性ショックとなり救急車で近医に搬送。全身状態改善後,当科へ転院搬送となった。入院時,左下腿2/3周を占拠する25×15 cmの腫瘤,同側鼠径リンパ節の腫脹を認めた。入院後も腫瘍より動脈性出血を認めた。腫瘍の切除と出血の制御目的で大腿切断を行った。有棘細胞癌の病理診断であった。Foot careに携わる診療科の中で,皮膚悪性腫瘍の診断・治療も行うことのできる形成外科・皮膚科は,慢性創傷が悪性腫瘍の発生母地となる点や生検の重要性を啓蒙していく立場にあると考えられる。
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© 2012 日本皮膚悪性腫瘍学会
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