抄録
本邦における基底細胞癌の新規発症数,発症年齢,発生部位,病型などの現状を把握するため,全国調査を行った。全国約180の主要施設に対して,調査用紙を送付し回収した。2010年1月から12月までの1年間に各施設を受診した新規症例を対象とし,1578例の有効回答を得た。基底細胞癌の年齢分布は,13歳から100歳で平均が72.6歳となった。発生母地は,脂腺母斑が18例,放射線障害と色素性乾皮症が同数の11例に認められた。臨床病型は結節潰瘍型が1013例(77.9%)で最も多く,表在型が254例(19.5%),斑状強皮症型が26例(2.0%)であった。発生部位は顔面が973例(61.7%)と半数以上を占めた。顔面の内訳は頬部197例,鼻翼134例,下眼瞼130例,傍鼻背92例,鼻背91例の順となった。鼻は基底細胞癌の好発部位であり,特に鼻尖,鼻翼に発生しやすいことが示唆された。