Skin Cancer
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第29回日本皮膚悪性腫瘍学会
神経線維腫症1型の足部に生じた皮膚悪性末梢神経鞘腫瘍の1例
井上 卓也三砂 範幸木村 裕美白井 礼子米倉 直美成澤 寛
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2014 年 28 巻 3 号 p. 302-305

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抄録
51歳,女性。神経線維腫症1型(NF1)の診断で経過観察されていた。初診の2年前から右足内側縁の以前からあった結節が次第に増大してきたため,当院を受診した。直径3.5cm大で境界明瞭な表在性腫瘍であり,神経線維腫として切除した。病理組織学的所見にて,腫瘍は真皮から皮下脂肪織に存在し,異型な紡錘形細胞の増殖が認められた。悪性末梢神経鞘腫瘍と診断し,術創から2cm離し,筋膜を含めた拡大切除を行った。術後2年間の経過観察中に再発や転移は認めていない。悪性末梢神経鞘腫瘍はほとんどが深部の太い神経から生じ,表在性のものは稀である。今回我々は,真皮から皮下脂肪織に生じた,皮膚悪性末梢神経鞘腫瘍の1例を経験したので報告する。
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© 2014 日本皮膚悪性腫瘍学会
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