Skin Cancer
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一般演題
外陰部無色素性悪性黒色腫の1例
宮川 卓也門野 岳史三枝 良輔記村 貴之山田 大資増井 友里佐藤 伸一山田 雄太井川 靖彦本間 之夫
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2015 年 29 巻 2 号 p. 171-175

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抄録
66歳,女性。初診の1ヵ月前,外陰部に紅色腫瘤を自覚した。生検の結果,不整形で大小不同な短紡錘形の核を持ったN/C比の高い細胞が増殖しており,免疫染色にてHMB45陽性,Melan-A陽性,S100一部陽性であり,悪性黒色腫と診断した。CT,PETで転移はみられず,切除およびセンチネルリンパ節生検を施行した。切除断端が陽性であり,その後腫瘍の完全切除までにさらに2回の手術を要した。無色素性悪性黒色腫は紅色を呈することが多く,また女性の外陰部にできた際には粘膜が淡紅色であるため,他部位よりも一層腫瘍の進展範囲を把握するのが困難である。また外陰部は尿道,肛門,女性の場合は膣も近接しており,腫瘍が進展した後では手術侵襲も大きくなることが多い。外陰部の紅色腫瘤をみた際に,悪性黒色腫も鑑別とし,早期発見,早期治療を行っていく必要がある。
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© 2015 日本皮膚悪性腫瘍学会
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