22歳,女性。約10年前から後頭部に小豆大の結節を自覚していたが,緩徐に増大し,拇指頭大になったため,2013年1月に近医で切除後,悪性腫瘍の疑いで紹介受診となった。初診時,左後頭部に3 cm大の手術痕があった。前医からの借用標本の病理組織所見では,弱拡大では中央に膠原線維の変性を伴う単結節で,強拡大像では膨化した膠原線維の介在を伴って類円形の上皮様細胞と紡錘形細胞の2種類の腫瘍細胞が増生していた。免疫染色では,AE1/AE3,EMA,CD34陽性,
α-SMA,desmin,S-100蛋白陰性,INI1蛋白陰性,MIB-1 indexは10%であった。以上からepithelioid sarcomaと診断した。前回の手術痕から2 cmのマージンをとり頭蓋骨外板を含めて切除し,人工真皮を貼付した。追加切除検体の病理組織所見は前回と同様であり,断端陰性を確認した後,二期的に左大腿後面からの分層植皮で再建した。
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