2015 年 30 巻 3 号 p. 179-184
2012年1月から2014年12月までの長崎医療センター皮膚科手術症例543例について抗血栓療法の有無,抗血栓剤投与群と非投与群におけるPT-INR値,出血性合併症の発生頻度について統計学的に比較検討した。50歳未満で抗血栓剤投与例はなく,50歳以上で17.7%が抗血栓剤を内服し,基礎疾患は高血圧性心疾患,抗血栓剤はアスピリン単独投与例が最も多かった。抗血栓剤投与群では,50歳以上70歳未満より70歳以上の症例群でPT-INRが有意に増加していた(P<0.05)。50歳以上の症例における出血性合併症の頻度は,抗血栓剤非投与群1.6%に対し,単剤継続投与群1.8%,2剤継続投与群では30.0%に上昇していた。