2016 年 31 巻 2 号 p. 128-132
79歳,女性。初診3ヵ月前に外陰部の違和感を自覚し,その後右大陰唇に紅色局面を形成し次第に増大したため前医を受診し,当科紹介となった。初診時,大陰唇・小陰唇は萎縮しており,左右の小陰唇部分の肛門側に紅色結節を認めた。右小陰唇部の紅色結節から皮膚生検施行したところ,好塩基性の胞体と大型の異型な核を有する異型ケラチノサイトが表皮のほぼ全層性に乱雑に増殖しており,集塊細胞やdyskeratotic cell,異常核分裂像も認め,病理組織学的にBowen病の所見であった。臨床所見と合わせてQueyrat紅色肥厚症と診断した。紅色斑から5 mm離し,病変を皮下脂肪織レベルで全切除した。紅色局面の組織からPCR-Invader法でHPV-DNAを検索したところ,HPVの高リスク型である58型が検出された。HPV58型を検出した女性のQueyrat紅色肥厚症の報告は稀であり,文献的考察を含め報告する。