2019 年 34 巻 1 号 p. 50-56
63歳,女性。1年の経過で徐々に増大した11mmの左下腿の紅色結節を認めた。前医で皮膚生検を施行しメルケル細胞癌と診断され,腫瘍切除術を行った。左下腿の病変切除と同時期より新たに右頬部に5mmの紅色結節が出現した。右頬部の病変も,生検でメルケル細胞癌と診断し,腫瘍切除術および術後放射線療法を行った。短期間で,左下腿と右頬部という解剖学的に対側で離れた部位に病変が出現した。経過中,局所再発やintransit転移を認めたものの,他臓器への遠隔転移は認めない。予後を考えるうえで,この2病変の関係性の捉え方によって病期が異なるため,検討を行った。