Skin Cancer
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34 巻 , 1 号
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総説
  • 岩月 啓氏
    2019 年 34 巻 1 号 p. 1-9
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/25
    ジャーナル 認証あり

    形質細胞増殖異常症の随伴症候群として,Castleman病とPOEMS症候群(別名,Crow-Fukase症候群,PEP症候群)はよく知られているが,その他にTAFRO症候群/Castleman-Kojima症候群,TEMPI症候群,AESOP症候群,IgG4関連疾患などの類縁疾患がある。IL-6過剰産生に基づく疾患群は,Castleman病を含めて包括的に高IL-6症候群とも呼ばれる。これらの症候群は臨床所見がオーバーラップするために,鑑別に苦慮することが多い。東アジア人に好発する皮膚形質細胞増多症は,皮膚型Castleman症候群,または多中心性Castleman病(MCD)の皮膚病変として報告されることや,IgG4関連疾患との関連が論じられている。本邦では,特発性MCD,POEMS症候群,IgG4関連疾患が厚労省指定難病の承認を受けており,TAFRO症候群についても研究班が組織されている。TEMPI症候群は,改訂第4版WHO分類2017に正式に採択されている。本総説では,現時点での形質細胞増殖異常症と随伴症候群に関する知見をまとめ,それらの疾患に共通する病態について包括的に言及した。

第34回日本皮膚悪性腫瘍学会
一般演題
  • 面高 俊和, 皆川 茜, 古賀 弘志, 若松 一雅, 奥山 隆平
    2019 年 34 巻 1 号 p. 10-16
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/25
    ジャーナル 認証あり

    進行期悪性黒色腫に関しては治療の選択肢が増加したことによって,治療効果を把握するためのバイオマーカーの重要性が高まっている。我々は,進行期悪性黒色腫に対するnivolumab治療の効果と血清5-S-cystenyldopa値(5-S-CD)の変化に関連があることを以前に明らかにした。今回は,分子標的薬による治療を受けた進行期悪性黒色腫患者8例(年齢中央値64.5歳,男女比5:3,PR 3例,SD 3例,PD 2例)の5-S-CDの変化と治療効果の関連を解析した。PRの3例全てで,治療開始後6~9週に5-S-CDが10 nmol/Lを超えて低下した。一方,SD(3例)とPD(2例)では5-S-CDの変動はいずれも10 nmol/L以内であった。また,治療開始後に5-S-CDが持続して上昇したのはPDの1例のみであった。なお,治療への耐性を獲得した2例では,PDの判定に先行して持続的に5-S-CDが上昇し,治療開始前の数値を超えるという経過をたどった。以上より,5-S-CDは進行期悪性黒色腫に対する分子標的薬の治療効果を予測するバイオマーカーになりえる可能性が示された。

  • 楠目 エマ, 山本 真有子, 中島 英貴, 中島 喜美子, 長尾 明日香, 松本 宗一, 長沼 誠二, 佐野 栄紀
    2019 年 34 巻 1 号 p. 17-23
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/25
    ジャーナル 認証あり

    44歳,男性。2008年頃に胸部に瘙痒を伴う紅斑が出現し,2011年に菌状息肉症(扁平浸潤期)と診断された。ステロイド外用,紫外線治療,エトレチナート内服で3年ほどは増悪なく経過していたが,2015年頃から頭部や肛門部に腫瘤を形成した。ベキサロテンやプレドニゾロン内服,モガムリズマブ点滴,放射線治療を行ったが,その後も腫瘤は増大し,2016年に新たに鼠径部や腋窩に腫瘤を形成した。右鼠径部の紅斑から生検を行い,腫瘍細胞の約30%がCD30陽性の大型細胞であった。ブレンツキシマブ・ベドチン点滴を3回施行し,腫瘤はやや縮小した。数ヵ月後,咽喉頭に腫瘤が出現し,生検により菌状息肉症の浸潤と診断した。ゲムシタビン点滴後も腫瘤は増大し,咽喉頭部に多発した易出血性の腫瘤により気道狭窄を来したため入院した。著明な血小板減少,脾腫,肺の結節影や腹腔内リンパ節腫大を認めた。ステロイドパルス療法により腫瘤の増大は止まったが,血小板輸血にも反応なく,徐々に全身状態が悪化し,咽喉頭病変が出現してから3ヵ月で死亡した。病理解剖を行ったところ,腫瘍の広範な浸潤に伴って全身状態が悪化し,肺炎や敗血症を来し呼吸不全が進行したことが直接死因と考えられた。また,多数の内臓にリンパ腫細胞が浸潤していた。咽喉頭への浸潤を認め病理解剖を行った貴重な1例を,文献的考察を加えて報告する。

  • 尼木 麻実, 今井 康友, 櫻根 純子, 永井 諒, 山西 清文
    2019 年 34 巻 1 号 p. 24-27
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/25
    ジャーナル 認証あり

    77歳,男性。初診半年前より左足底に胼胝様皮疹が出現,同部位に潰瘍を生じ拡大したため受診。左足底中央から足背外側にかけて,角化を伴った下床との可動性不良な硬い皮下結節が帯状に分布し,外側縁には潰瘍形成を伴っていた。病理組織では真皮から皮下組織に大型リンパ球様異型細胞がびまん性に浸潤し,CD30陽性,CD3,CD4,CD8,CD56,ALK,EBER in situ 陰性であった。PET/CTで皮膚外病変を認めず,原発性皮膚未分化大細胞型リンパ腫(primary cutaneous anaplastic large cell lymphoma,ALCL)と診断した。左足に電子線総量36 Gyを照射し潰瘍は上皮化したが,左下腿内側に2回再発したため,多剤併用化学療法を行った。

  • 野上 京子, 持田 耕介, 財部 愛菜, 後田 優香, 江藤 博文, 成田 幸代, 林 みゆき, 堀川 永子, 石井 千寸, 天野 正宏
    2019 年 34 巻 1 号 p. 28-34
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/25
    ジャーナル 認証あり

    皮下脂肪織炎様T細胞リンパ腫(subcutaneous panniculitis-like T-cell lymphoma;SPTCL)は皮下脂肪識を病変の主座とする稀な皮膚原発悪性リンパ腫である。当科で2004~2017年に診療したSPTCLの5例を検討した。女性4例,男性1例で,初診時年齢は中央値27歳(22~79歳)であった。初発症状は全例,有痛性紅斑であり,部位は大腿1例,下腿2例,上腕2 例,腹部1例で,5例中3例に全身症状(発熱,全身倦怠感)を伴っていた。TNM分類では,T2cN0M0が1例,T3aN0M0が1例,T3bN0M0が3例であり,治療はT2症例1例に放射線照射,T3症例4例に多剤併用化学療法2例,ステロイド内服2例を施行した。局所放射線療法を施行した1例は完全寛解,ステロイド内服を行った2例は1例が完全寛解,1例で再発を認め,多剤化学療法を行った2例は,1例が完全寛解,1例で局所再発を認めた。

     再発例のうち1例はベキサロテンを使用,1例はステロイド局所注射,局所放射線照射を施行したが,両者寛解を得られず加療継続中である。

  • 加持 達弥, 山﨑 修, 森実 真, 岩月 啓氏, 前田 直見, 白川 靖博
    2019 年 34 巻 1 号 p. 35-40
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/25
    ジャーナル 認証あり

    症例1:60歳,男性。2015年,食道悪性黒色腫と診断された。BRAF変異陰性。後腹膜,腸間膜に多発転移あり。ニボルマブ投与を開始し,腹膜播種病変は画像上消失した。原発巣と近傍のリンパ節転移は残存したため,食道亜全摘+所属リンパ節郭清術を施行した。術後,ニボルマブ投与を再開したが,脳転移が出現。イピリムマブ投与に変更し,全脳照射を施行したが,永眠された。

     症例2:72歳,女性。2015年,食道悪性黒色腫と診断された。BRAF変異陰性。PET/CTにてL2椎体に転移あり。ニボルマブ投与により転移巣は画像上消失し,原発巣は色素沈着のみとなった。ニボルマブ投与継続していたが,食道原発巣の再発を認め,食道亜全摘+所属リンパ節郭清術を施行した。術後,無治療で経過観察中であるが,現在のところ再発,転移はない。進行期の食道悪性黒色腫にニボルマブが奏効した2例を経験したので,報告した。

  • 国本 佳代, 川口 亜美, 奥平 尚子, 山本 有紀, 藤本 正数, 村田 晋一, 神人 正寿
    2019 年 34 巻 1 号 p. 41-45
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/25
    ジャーナル 認証あり

    血管肉腫は高齢者の頭部に好発する稀な軟部肉腫で,軟部悪性腫瘍の約1%を占める。治療法としては外科的治療や放射線治療,化学療法が行われるが,5年生存率は約10%と予後不良である。NUP160-SLC43A3融合遺伝子の存在が2015年に報告されており,融合遺伝子陽性例では腫瘍の進展が速い可能性が示唆されている。

    症例は69歳,男性。右頬部の血管肉腫の診断で化学療法を施行し寛解状態となった後,通院を自己中断していた。初診から8年後,右下顎部の皮下腫瘍を主訴に当院を受診し,病理所見から血管肉腫と診断された。右頬部および右下顎部の2つの病変はNUP160-SLC43A3融合遺伝子が共に陽性で右下顎部の腫瘍は右頬部血管肉腫の転移である可能性が高いと考えられた。過去の報告と異なり,融合遺伝子陽性であるが進行が緩徐な症例であった。今後融合遺伝子の臨床的意義を解明していく必要がある。

  • 勝見 達也, 藤川 大基, 横山 令, 結城 明彦, 親松 宏, 阿部 理一郎
    2019 年 34 巻 1 号 p. 46-49
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/25
    ジャーナル 認証あり

    66歳,男性。右前胸部に被覆表皮が紅色の皮下腫瘤を自覚した。近医にて切除されたが,病理検査は施行されなかった。切除1年後同部位に腫瘤の再発を認め,全摘組織では,病理学的に皮膚型皮膚平滑筋肉腫と診断された。側方断端陽性であり,精査,追加治療目的に当科紹介受診した。PET-CTで,右腋窩の腫大したリンパ節にFDGの集積を認め,転移が疑われた。拡大切除と,右腋窩リンパ節生検を施行した。病理組織所見で,原発巣の腫瘍細胞は真皮深層までの浸潤で,腫瘍細胞の残存がみられたが断端は陰性。リンパ節に腫瘍細胞は認めなかった。一般的に予後良好とされる皮膚型の皮膚平滑筋肉腫であっても真皮深層にまで腫瘍細胞の浸潤を認めたため,慎重な経過観察が必要と考えた。

  • 米倉 直美, 永瀬 浩太郎, 永江 航之介, 小川 始主夏, 岩永 知未, 凌 太郎, 井上 卓也, 古江 増隆, 寺東 宏明, 成澤 寛
    2019 年 34 巻 1 号 p. 50-56
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/25
    ジャーナル 認証あり

    63歳,女性。1年の経過で徐々に増大した11mmの左下腿の紅色結節を認めた。前医で皮膚生検を施行しメルケル細胞癌と診断され,腫瘍切除術を行った。左下腿の病変切除と同時期より新たに右頬部に5mmの紅色結節が出現した。右頬部の病変も,生検でメルケル細胞癌と診断し,腫瘍切除術および術後放射線療法を行った。短期間で,左下腿と右頬部という解剖学的に対側で離れた部位に病変が出現した。経過中,局所再発やintransit転移を認めたものの,他臓器への遠隔転移は認めない。予後を考えるうえで,この2病変の関係性の捉え方によって病期が異なるため,検討を行った。

第31回日本皮膚悪性腫瘍学会
一般演題
  • 住友 理映子, 楠谷 尚, 大迫 順子, 寺西 裕一, 大澤 政彦, 福本 隆也, 山本 善英, 鶴田 大輔
    2019 年 34 巻 1 号 p. 57-62
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/25
    ジャーナル 認証あり

    74歳,男性。初診の9年前に左頬部の皮膚腫瘍を他院で切除し,病理検査で汗腺由来の良性腫瘍が疑われ経過観察となっていた。その7年後,術後瘢痕に生じた結節の病理組織で,豊富な粘液中に腫瘍胞巣が浮遊する真皮内病変が存在した。腫瘍細胞は免疫染色でCK7,GCDFP-15陽性,CK20陰性であった。他臓器病変なく,皮膚原発性粘液癌(PMC)と診断した。左耳下腺リンパ節転移があり広汎腫瘍切除を施行し,術後局所再発に対し切除と放射線治療を追加した。最終手術後21ヵ月再発なく経過している。9年前の検体を再検討し,病理組織学的に表皮と連続する囊腫様構築,腫瘍細胞の断頭分泌像,粘液産生を伴う真皮内胞巣,管腔内に浮遊する細胞集塊を認めた。腫瘍細胞はCK7,GCDFP-15,synaptophysin,chromogranin,estrogen receptor陽性,CK20陰性で,内分泌性粘液産生性汗腺癌(EMPSGC)と診断した。経時的にEMPSGCを前駆病変としPMCに移行した症例と考えた。

投稿論文
  • 菅田 実穗, 稲坂 優, 市來 尚久, 坂東 章子, 久田 智子, 田中 義人, 伊藤 有美, 小寺 雅也
    2019 年 34 巻 1 号 p. 63-68
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/25
    ジャーナル 認証あり

    59歳,男性。当科初診の2年前から顔面の瘙痒と紅斑あり,顔面全体に拡大したため,近医を受診。皮膚生検を含め精査されたが確定診断はつかず,ステロイドやシクロスポリン,ジアフェニルスルホンなどの内服で治療されたが難治であり,当科へ紹介となった。初診時,顔面全体に脳回転状の浸潤の強い局面が形成され,獅子様顔貌を呈し,禿頭と頸部に丘疹を認めた。前額部から行った皮膚生検の病理組織学的検査では,毛包周囲に密なリンパ球浸潤,毛包内にムチン沈着と中型から大型の異型リンパ球浸潤を認めた。浸潤細胞はCD3,CD4陽性で,CD8,CD20は陰性,T細胞受容体Cβ1,Jγ鎖の遺伝子再構築は認めなかった。CTで頭頸部の多発リンパ節腫脹を認め,毛包向性菌状息肉症Stage IIBと診断。ボリノスタットとトモセラピーによる電子線照射を併用し治療開始。ボリノスタット開始10ヵ月後に脳梗塞を発症したため中止し,ベキサロテンに変更し部分奏効を維持している。

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