2022 年 37 巻 1 号 p. 40-45
症例は86歳,男性。右大腿部悪性黒色腫(T4aN1aM1,Stage IV)に対しペンブロリズマブ初回投与の15日後から両肩部,大腿部の疼痛と血清CK値の上昇を認めた。筋炎と診断しPSLの投与を開始したが心筋炎を合併した。腱反射低下も出現し神経伝導検査からギラン・バレー症候群と診断した。四肢・呼吸筋力の低下,眼瞼下垂も認め重症筋無力症(MG)を疑ったが抗アセチルコリンレセプター(AchR)抗体陰性で,抗横紋筋抗体(抗titin抗体,抗Kv1.4抗体)陽性により診断した。呼吸筋力はプレドニゾロン(prednisolone;PSL),血漿交換療法(plasma exchange;PE)や免疫グロブリン大量静注療法(intravenous injection of immunoglobulin;IVIG)でも回復せず,初回投与から75日目に死亡した。免疫チェックポイント阻害薬によるMGは筋炎,心筋炎を合併し重篤化することが多く,抗横紋筋抗体の陽性率が高いため,診断に有用である。