2023 年 38 巻 2 号 p. 148-153
症例1:79歳,女性。初診4年以上前から右耳介後面に結節を自覚し,次第に増大したため,当科を紹介受診した。右耳介後面に有茎性腫瘤があり,腫瘤と連続して黄白色の疣状局面がみられ,局面内に青灰色の小結節を認めた。皮膚生検より腫瘤は脂腺癌,疣状局面は脂腺母斑と診断した。その後,腫瘤と疣状局面を全切除し,疣状局面上の小結節は毛包上皮腫様の病変であった。症例2:70歳,女性。出生時より右頬部に疣状局面があり,初診1年前に疣状局面上に結節が出現した。前医で結節を切除され,脂腺癌の診断で当科を紹介受診した。疣状局面を含めて全切除し,脂腺母斑に発生した脂腺癌と診断した。当科で病理組織学的に診断した脂腺母斑91例中,二次腫瘍は14例に発生し,そのうち悪性腫瘍は,本症例の脂腺癌2例を含む7例に発生したことから,患者には二次腫瘍が悪性である場合が少なくないことを説明する必要があると考えた。