2024 年 39 巻 1 号 p. 55-60
49歳,女性。当科初診の5年前より右大腿内側の隆起性皮膚腫瘤を自覚した。最も大きい腫瘤が35×20 mm大に増大し,癒合傾向も認めたため当科初診の3年前に前医で切除された。病理組織学的検査で神経線維腫と診断された。断端陽性であったが,経過観察となっていた。その後再発を認めたため当科受診となった。2 mm marginで全切除生検したところ病理組織学的検査で隆起性皮膚線維肉腫の診断となった。切除断端陰性を確認し,後日20 mm marginの追加切除と横転皮弁による再建を施行した。隆起性皮膚線維肉腫の診断は必ずしも容易ではなく,H-E染色による病理診断が神経線維腫などの良性腫瘍であっても外観や臨床経過などを考慮して適宜免疫組織染色を行い,注意深く診断することが望ましい。