2024 年 39 巻 1 号 p. 8-13
64歳,女性。1歳頃から掌蹠の過角化症状あり。自身で削り処置を繰り返していたが,左踵に黒色斑が生じ,その後隆起してきたため当科を紹介受診した。初診時,掌蹠の著明な過角化と,左足部に広範囲におよぶ黒色斑と20 mm大までの紅色結節を2ヵ所に認めた。精査の結果,掌蹠の過角化病変についてはSLURP-1変異が検出され,Meleda病と診断した。結節病変の生検結果は悪性黒色腫であった。結節病変に対する手術療法とセンチネルリンパ節生検を行い,病期はStage ⅡC(pT4bN0M0)であった。その後ペムブロリズマブによる治療を継続した。しかし術後3ヵ月で脳転移を生じ,術後6ヵ月で癌性髄膜炎を生じて永眠された。Meleda病と悪性黒色腫の合併例の報告は非常に稀であるが,Meleda病の原因遺伝子であるSLURP-1は,腫瘍抑制因子として機能している可能性が示唆されている。