2024 年 39 巻 2 号 p. 152-156
65歳,女性。生下時より左下腿に褐色斑あり。初診7ヵ月前より褐色斑内に腫瘤が出現した。前医で腫瘤が切除され,悪性黒色腫と診断された。当院受診後のCTで左鼠径部,外腸骨動脈周囲,総腸骨動脈周囲のリンパ節腫大あり。BRAF-V600変異(class Ⅰ変異;V600E,V600K)はなく,ニボルマブ(480 mg/Q4w)を開始した。しかし初回投与後に免疫関連有害事象を生じ,本人がニボルマブの継続を拒否した。原発巣の切除検体によるがん遺伝子パネル検査を行ったところNRAS-Q61K変異があり,MEK阻害剤が有効である可能性が指摘された。そこで当院の未承認新規医薬品等評価部の承認を得たうえで,病院の基準外医療費よりビニメチニブを購入して投与を開始した。合計12週間投与後,一部の転移リンパ節が縮小した。未承認薬/適応外薬を使用する際の問題点,当院におけるがん遺伝子パネル検査の状況を含め報告する。