2024 年 39 巻 2 号 p. 157-162
症例は46歳,男性。当院初診より10年以上前から臀部・会陰部・大腿部の化膿性汗腺炎に罹患していた。初診時,左臀部中心に化膿性汗腺炎と考えられる瘻孔を伴う皮下膿瘍を認め,会陰部・肛門部に5 cm大の潰瘍を伴う肉芽様の腫瘤を認めた。会陰部の腫瘤は病理組織学的検査で有棘細胞癌と診断した。会陰部の腫瘍を含めて臀部の化膿性汗腺炎病変部を全切除し,皮弁形成術・分層植皮術で再建した。有棘細胞癌の水平・垂直断端は陰性であった。初回手術3年半後,会陰部に中央潰瘍を伴う乳頭腫状の腫瘍を認めた。病理組織学的検査にて有棘細胞癌と診断し,再発と判断した。
骨盤底筋の一部を含んだ腫瘍切除を行い,分層植皮術で再建した。化膿性汗腺炎から生じる有棘細胞癌は病変が大きいことも多く,再発に注意が必要である。本症例は術後3年以上経過して再発しており,文献的考察を加えて報告する。